BLOG

立山自然保護センターブログ

立山室堂 クマはまだ出没していない情報Ⅱ(R8年8月16日)

先月の7月17日にこのブログにて「立山室堂 クマはまだ出没していない情報」を公開させていただきましたが、以降、たくさんのお客様から、「立山室堂にも、クマが出ているんじゃないか?」というお問合せがたくさん寄せられています。

結論からいいますと、現時点では、室堂平でのクマ情報は0件となっています。

近辺情報としては、以下のとおり、前回にお知らせした3件(①~③)に加え、以下の④~⑥の奥大日岳での目撃2件と一ノ越手前の祓い堂でのクマ糞の確認1件のみとなっています。

【R8,7,17お知らせ済み情報】※立山室堂区域外の近辺情報を含む

①令和8年6月22日目撃 弥陀ヶ原~立山カルデラ展望台の散策路の入口:以降、追加の目撃情報・痕跡情報は無し。

②令和8年7月1日目撃 奥大日岳~室堂乗越の稜線登山道の立山川側50m下:以降、追加の目撃情報・痕跡情報は無し。

③令和8年7月10日足跡 大日岳近くの雪渓上:通報のみで未確認。

【R8,8,16今回お知らせ情報】※立山室堂区域外の近辺情報を含む

④令和8年8月6日痕跡(糞) 一ノ越手前の祓い堂浄土沢付近の登山道横:現地確認済。以降痕跡・目撃は無し。

⑤令和8年8月10日目撃 新室堂乗越→浄土沢→下流に移動:現地確認・警戒対応済み。⑥の個体と同じか不明。

⑥令和8年8月16日目撃 奥大日岳手前のピーク→移動ロスト:目撃報告のみ。未確認。⑤の個体と同じか不明

ということで、現在のところ、立山室堂平内でのクマ出没はまだのようですが、これからいらっしゃる方は、最新のクマ出没情報の入手(富山県クマッぷ 以下のアドレス)や見通しの悪い登山道を走り抜けたり、クマを寄せ付けるゴミのぽい捨てなど止めていただきますようお願いいたします。

 

富山県ツキノワグマ出没情報地図【クマっぷ】(公開中)

 

R8年8月16日現在(4月~8月16日)のクマっぷ情報 ※新室堂乗越の緑〇2個は、どちらも⑤の情報です。

今年の特徴は、称名滝地区での出没多発です。

 

【参考】R7年度(4月~10月)のクマっぷ情報 ※昨年度(R7年度)は室室堂平での目撃情報は20数件ありました。

R7年度(昨年度)は、6月末から室堂平に出没していました。

 

 

立山室堂 クマはまだ出没していない情報!

表題でクマ情報と言っていますが、今年度のお伝えする立山室堂での熊目撃情報は、まだ1件もありません。

毎日数件、観光客、登山者、学校関係者の方々から「今年も立山室堂でクマが出没しているのか?」とのお問合せの電話&メールをいただいています。しかしながら、毎回「今年は、まだ出ていません。いつから出てくるのか、出てこないかもわかりません。」とお答えさせていただいております。

特に、マスコミ関係者からも「立山室堂でも、もうそろそろ、出てるでしょう?」といった、“誘導尋問的な”問い合わせも多いのですが、「出ていないものは、出ていない。7月1日から環境省の熊監視委託員が毎日、巡回監視業務を行っており、また何千・何百人の人々が往来している立山室堂において、目撃情報が無いので出没していないと考えられます。」と“期待に反した”お答えをしています。

7月15日の朝刊にて「雄山山頂でクマか 人の可能性も」と“ライブカメラ視聴者”からの目撃情報が報道されていましたが、当日中に、環境省・山岳警備隊・当センターの3者が雄山神社職員・山頂登山者の目撃者の有無の確認及びライブカメラでのクマに似た黒い服の社務所従業員の写り込みを確認した上で、緊急対応配備を解除していた経緯があったのですが・・・。結果として、新聞報道を機に「立山にクマが出没している」というウワサが広まっているようです。

(同新聞社朝刊の7月16日の報道にて、雄山山頂のクマ出没は社務所職員だったと修正報道がありましたが・・・。)

なお、当センターが今シーズン把握しているクマ情報(立山室堂区域外を含む)は、今のところ下記の3点のみです。

①令和8年6月22日目撃 弥陀ヶ原~立山カルデラ展望台の散策路の入口:以降、追加の目撃情報・痕跡情報は無し。

②令和8年7月1日目撃 奥大日岳~室堂乗越の稜線登山道の立山川側50m下:以降、追加の目撃情報・痕跡情報は無し。

③令和8年7月10日足跡 大日岳近くの雪渓上:通報のみで未確認。

以上が全てで、立山室堂でのクマ出没はまだです。ただし、これからいらっしゃる方は、最新のクマ出没情報の入手(クマップ)や見通しの悪い登山道を走り抜けたり、クマを寄せ付けるゴミのぽい捨てなど止めていただきますようお願いいたします。

 

希少! 自然解説ツアー参加者にのみ配布の50周年ステッカー ※R7年度に一の越途中の祓い堂近くで出没したクマ

当センターのホームページからダウンロードできます熊ステッカー

室堂の謎Ⅱ いなくなったクマ達

この夏、室堂平や一ノ越・祓堂、浄土山・室堂山

近辺で頻繁に出没していた“クマ達”も、9月15日

を最後に、その目撃情報は全く無くなりました。

室堂平から2時間ほど離れた場所の、室堂乗越から

雷鳥沢にかけての山腹斜面の成獣クマも、10月2日

の目撃情報を最後に、新たな目撃情報もありません。

室堂で長年仕事をしている職場や山小屋関係者等の

皆様からの聞き取りによると、

『毎年、室堂近辺のクマは9月末にはいなくなる。

餌も豊富で、冬ごもりできる標高1,000~1,500

mぐらいの山中に下りて行っているのでは?』

とのことです。

最近、富山県も含め全国的にたくさんのクマが、平

野地の居住区域に出没し、重大な人身事故などが発

生しています。樹の実の凶作による餌不足やクマ自

身の個体数の増加などの原因があるのでしょうが、

少なくとも、国立公園内の立山室堂においては、

“野性の尊厳をもって、人との関わりを持たない”

クマ達と

“自然公園を利用する一方、クマの棲息地を保全し、

クマ生態への影響を最小限に限定制限させる”

人間が

共存できる方策を模索していくことが重要と考え

ています。

以下、9/8、9/16、9/30のクマ特集ブログでも紹

介させていただいたクマ達の写真ですが、クマの

顔ズームアップでトリミング処理しました。

ボケボケの写真ですみませんが、室堂のクマ達の

いろいろな表情などお楽しみください。

R7,8,25室堂園地南①

R7,8,25室堂園地南②

R7,8,25室堂園地南③

R7,8,25室堂園地南④

R7,8,25室堂園地南⑤

R7,9,6一ノ越祓堂室①

R7,9,6一ノ越祓堂室②

R7,9,6一ノ越祓堂室③

R7,9,15ミクリガ池上部①

R7,9,15ミクリガ池上部②

R7,9,23雷鳥坂①

R7,9,23雷鳥坂②

 

立山雷鳥沢のクマ

これまで(令和7年7月~9月)、室堂平や一ノ越・

祓堂、浄土山・室堂山近辺で30回以上も出没して

いたクマも、9月15日以降は、その目撃情報も皆無

となっています。

ただ、代わりに9月8日頃から、室堂平から2時間ほ

ど離れた場所ですが、室堂乗越から雷鳥沢にかけて

の山腹斜面に2頭の成獣クマが“滞在”するようになっ

ています。(※9月19日に1頭が尾根向こうの立山川

上流域に移動したので、現在は1匹のみです。)

時たま、このクマ達は、雷鳥坂や室堂乗越付近の登

山道を横切ることがあったため、クマの監視と登山

者の安全確保・誘導のため、山岳警備隊員と環境省

・富山県の職員が、毎日のように『雷鳥沢』まで

“出動”していました。そうした中、9月16日のブロ

グ記事写真「立山室堂のクマは何を食べているのか

?」で、ご紹介していたように、雷鳥坂のクマも、

当初、しきりに“草穂の実”をしごき採っていたので

すが、9月23日の監視出動時にて、これまでと異な

った“樹の実”(クロウスゴというブルーベリー)を

一心不乱に食べ漁っていた様子を、観察・撮影する

ことができました。これまで、

「こういった小さな樹の実を、大きな手でどうやっ

て摘み取って食べているのだろう?」

と疑問に思っていたのですが、9/23の熊監視では、

「手で樹の実がなっている枝を手繰り寄せて、顔を

左右に振って、枝葉ごと樹の実を口の中に落とし

入れて食べている。」

ということを観察することができました。

とにかく、雷鳥沢のクマ達も室堂平のクマ達と同じ

ように、人間に興味を示したり、キャンプ場に近づ

くこともなく、ただひたすら“生きるために”野生の

営みを行っているだけのようでした。

この期間、雷鳥沢では、冷静さを失った登山者が、

過度に反応して『爆竹を鳴らしたり、大声を出した

り』する混乱が生じましたが、人間の方からクマを

威嚇して興奮させるようなことは、絶対にやめてく

ださい。全く人間に敵意を向けていないクマであっ

ても、『自己防衛本能』で人を襲うこともありま

す。

クマ生息の特別保護地区である立山では、人間の方

から、節度をもって『クマとの距離』を保つ関係が

大切ではないでしょうか?

※以下は、9月23日に、安全を確保した200m以上

離れた場所から望遠レンズ越しで観察・撮影した

写真です。ブレブレのボケボケですみません。)

室堂乗越の登山道近くでのクマ(R7年9月19日)

クマが度々近づいたり横断した室堂乗越の稜線(登山道)

筋肉の塊。雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

採餌のため、雷鳥沢の上部から下部を行ったり来たりしていたクマ(R7年9月23日撮影)

雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

『クマの顔』では、個体識別は無理か?雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

この日はしきりに、低木に首を突っ込んでいました。雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

体長1.5m以上?の大きな成獣。雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

食べていたのはクロウスゴというマメ科高山植物(低木)の液果でした。雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

首を振って、口の中に樹の実を落とし込んでいました。雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

採餌中に、オシッコしていました。雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

 

 

立山室堂のクマは何を食べているか?

昨日、9月15日(日)午後4時20分過ぎ、室堂平に

クマが出没し、ミドリガ池横の散策道などが1時間

ほど通行規制されました。

今回のクマは成獣1頭で、天狗平方面から室堂平に

上ってきたものでして、何よりも、これまでも

例のない“室堂ターミナル前近く”での出没であり、

“衝撃的”なものでした。

クマは、人を警戒することもなく、室堂園地を

早や走りで横切り、慰霊塔横の斜面からミクリガ

池上部の谷筋に下りていきました。

(人と接触することがなく、本当に良かったです。

みなさんも、クマを興奮させることなく、距離

を取って冷静に対処してください。)

その後は、谷筋を1時間ほどかけて、ゆっくりと

採餌しながら、対岸のミドリガ池の斜面を登って、

浄土沢方面に移動していきました。

この1時間ほど、望遠レンズでクマの行動を観察し

ていたのですが、クマはしきりに、草むらに口先

を突っ込み、草穂から草の実をしごき採って、

“ムシャムシャ”と音をたてて食べていました。

この時期の高山帯のクマの採餌対象は、ベニバナ

イチゴ、クロウスゴ、クロマメノキなどの樹の実

であるとされ、実際、室堂周辺でも“ソコソコ”

の量でしたら、熟した液果を見かけることがあり

ましたが、今回のクマ(8月からの大半のクマも

!)は、草(推定で、イワノガリヤスやヒロハコ

メススキなど)の穂状の実を食べていました。

9月の後半からは、脂肪分の高い、効率よく栄養

を摂取できるミズナラやコナラなどのどんぐりを

食べに山地帯に下りていくとされていますが、

室堂平の今年のクマたちは、どうするのでしょう

か?

以下は、R7,9,15夕方のクマの観察写真です。

R7,9,15 PM5:00~PM6:00(ミクリガ池上部の谷筋)

草(草の実)をムシャムシャ、音を立てて食べています。

体格の良い大きなクマです。(足裏は柔らかそう!)

毛並みも良さそう!

鋭いツメもはっきりと見えました。

しきりに、草むらに口先を突っ込んで草の実を食べていました。

イネ科(イワノガリヤス?)の植物を食べている様子。

エサの無い岩場は“早歩き”のスピードで移動。

このフグリは・・・・。オスかも? しっぽは長くないです。

ハクサンボウフウとイワイチョウの草付地。ここで、何の草を食べていたのかは不明。

月の輪が見えそうで見えない写真!

夕陽を浴びた対岸のクマ。ミクリガ池上部の沢筋から斜面を登って、ミドリガ池園地散策道に達した状況。