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立山自然保護センターブログ

R8年6月27日 立山室堂朝散歩

台風&梅雨の影響により、ここ数日、荒天が続いていた立山室堂ですが、今日(R8年6月27日)は、朝から晴れています。

富山平野の方は、分厚い雲海が拡がっており、上山されたお客さんの話では、富山市内は大雨だったそうです。

ただ、ここ数日の強風と冷たい雨のせいで、せっかく咲き始めていた高山植物の花びらが痛んだり、散ったりしていました。(これからたくさんの花々が咲き始めるので、お花畑には影響はありませんが・・・・。)

7月に入ると、ライチョウの母子&高山植物のお花畑の夏山シーズン突入です。楽しみですね。

今日の天狗平方向の展望。雲海の下は大雨だそうです。

みくりが池の氷もだいぶん融けてきました。剱~剱御前~別山方向。

みくりが池水面の“逆さ立山三峰&浄土山”

みくりが池のほとりの見張りライチョウ ※5月末に足を怪我していたのですが、現在は回復し大丈夫そうです。

立山三峰をバックにした見張りオス。前の写真と同じ個体。この場所で毎年ツガイとなっているメスと再繁殖チャレンジ中とのこと。

昨日までの雨風で傷んだチングルマの花弁。

そこかしこで咲き始めたアオノツガザクラ。提灯の集まりのよう。

これから、お花畑の主役となってくるハクサンイチゲ。

風雨で花弁が少し痛んでいたイワカガミ。新緑の中の美しい彩りは目を引きます。

室堂では少ない森林性の植物。ショウジョウバカマ。ホテル立山前

やっと咲き始めたばかりなのに・・・。花弁が痛んでいたクロユリ。

草原にて、これから開花してくるネバリノギラン。

 

ライチョウは飛べますか?

当センターの受付によく、「ライチョウって飛べるんですか?」という質問や、「ライチョウって飛べるんですね?」っていう“感激”の報告が寄せられてきます。

もちろん、ライチョウも立派な“鳥”です。結構、飛べます。グライダーのような滑空飛行だけではなく、2018年の数十km離れた北アルプスから中央アルプスに“移住”した伝説の『飛来メス』のように、ライチョウも“やればできる子”であることをみなさんにその都度、お伝えしています。

ということで、今回は、ライチョウの飛びっぷりをみなさんに堪能していただきたく、当センター秘蔵&過去ブログ写真などから、再公開させていただきます。

※ライチョウの飛翔を見たい方は、繁殖期最盛期の5月がお勧めです。立山室堂をオス達が飛び交っています。

2017年4月24日 3-1 勢いつけて

2017年4月24日 3-2 ジャーンプ!

2017年4月24日 3-3 力いっぱい羽ばたく!

2017年5月18日 見張り岩から力いっぱいジャーンプ!

2018年6月13日 谷に向かってジャーンプ!

2018年6月13日 “天使の羽根”のような美しい羽根。

2018年6月13 スカイハイ。対岸に向かって飛翔中!

2018年6月5日 緊急発進! 縄張り内でのディスプレイフライト

2018年5月28日 縄張り争い。オス同士の空中バトル中!

2017年4月24日 当センターホームページTOP採用写真です。

撮影日時不明  鳴きながらの飛翔。※よく見ると脱糞していますよ。

撮影日不明 当センター50周年記念シール採用写真

過去ブログ執筆の諸先輩方の写真使わせていただきました。ありがとうございました。

 

R8年6月23日 黒部平Ⅱ【植物編】

先ほどのブログに続いて、黒部平~黒部湖畔周辺で見てきました植物を紹介いたします。

標高1,828mの黒部平駅周辺では、ゼンテイカ(別名ニッコウキスゲ)が咲き始めていました。これからが見頃です。また、黒部平駅周辺の整備された高山植物園には、室堂平ではまだ咲いていないイワイチョウやマイヅルソウが咲いていました。

その他の亜高山帯性の植物では、登山道脇各所にて、ツマトリソウ、ゴゼンタチバナ、アカモノ、エンレイソウ、ツクバネソウの花や開花後の実を観察することができました。

黒部湖畔への途中、ブナ、クロベ、コメツガの巨木林を通過しますが、苔むした岩々を取り込んで株立ちするその荘厳な樹々に圧倒されましたが(前号ブログで紹介)、その樹々たちの足元でヒッソリと咲いていた、ギンラン、ギンリョウソウ(ユウレイタケ)も見つけることができ、黒部平の奥深さを堪能することができました。

黒部平駅周辺で咲き始めていたゼンテイカ(別名ニッコウキスゲ)

黒部平駅周辺のゼンテイカ。開花率40%ぐらい。室堂側では、弘法~追分周辺(標高1,500~1,800m)が最盛期です。

黒部平駅周辺のゼンテイカ(ニッコウキスゲ)

黒部平駅の高山植物園で咲いていたイワイチョウ

黒部平駅周辺のウラジロナナカマド。今が満開。

ツマトリソウ(✖妻と理想、✖妻取りそう、〇つま(端)とり(ふちどり)草)

ゴゼンタチバナ 樹林下で可憐に一株咲いていました。

 

ゴゼンタチバナ 目立つ4枚の“白い花状のもの”は花でなく総包片。花は中心部で、4枚花弁で10数個あります。

エンレイソウ(花の終わった後)

ツクバネソウ(羽付きのツクバネのような形の実がなります。)

ツクバネソウの群落(ロッジくろよん周辺)

ギンラン(黒部平のブナ林) 2株だけ確認できました。

ギンリョウソウ(黒部平のブナ林)葉緑素を持たない半寄生植物です。その色・風貌から別名ユウレイタケ。

R8年6月23日 黒部平Ⅰ【コース編】

本日(6月23日)、梅雨中の晴れ間をぬって、黒部平(標高1,828m)及び黒部湖畔(標高1,455m)に行ってきました。

立山室堂でも高山植物達が咲き始めているのですが、この時期の山地帯の植物達も見てみたかったので、ちょっとした“遠征”を行いました。

立山室堂→大観望は電気バス(10分)、大観峰→黒部平はロープウエー(7分)、黒部平からは「ロッジくろよん」経由(下り徒歩60分)で黒部ダムに行き(水平徒歩30分)、帰りは黒部湖→黒部平間をケーブルカー(5分)を利用しました。

だいたいの日程は、AM8:00に自然保護センターを出発、AM8:30大観峰、AM8:40黒部平、AM10:00ロッジくろよん、AM11:00黒部ダム、PM12:00に室堂帰所というものでした。※コースタイムなどは参考にまで。

植物観察のポイントは、黒部平駅周辺と黒部平から「ロッジくろよん」までの中間ぐらいのブナ・クロベ等の大木の樹林帯です。

特に「ロッジくろよん」までの下りは、木製階段など整備された登山道ですが、まだまだ利用者が少ないシーズンですので、笹薮の“ヤブコギ”が必要です。登山道先にクマが居ないか確認しながら、音や声を出しながら用心深くゆっくりと歩きましょう。なお、「ロッジくろよん」⇔黒部湖駅・黒部ダムまでは、コンクリート舗装された水平散策道にて、どなたでも快適に楽しむことができます。※黒部湖駅から10分の遊覧船のりば近くの『かんぱ谷橋』はスリルある吊り橋です。高所が苦手な方やお子様は特に注意してください。

ハイシーズンでも“人の少ない静かな”コースです。ブナやクロベ(ネズコ)、コメツガなどの数百年生の巨木の森をゆっくりとと楽しむことができる素晴らしいコースです。森林・巨木好きの方は、必見です。

※次回のブログは、黒部平Ⅱ【植物編】です。

室堂出発の電気バス。富山県上市町出身の細田守監督のアニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」がラッピングされています。

大観望駅で電気バスからロープウェイに乗り換え

大観望駅からたんぼ平・黒部平駅を見下ろした風景。

ロープウエーは必ず、上下便がすれ違います。

いつもの風景(室堂側)とは反対から見た雄山三峰。雄山直下をくり貫いたトンネルの出口が大観峰駅。

黒部平駅周辺には、高山植物観察園が整備されているので、乗り継ぎ時間がある場合は、要必見です。

新緑の黒部平駅周辺及び立山の風景

黒部平駅から「ロッジくろよん」までの登山道。下り始めて5分でこんな感じです。見通しがきかない笹薮なので、足元の確認と熊出没には細心の注意を!

下り始めて20分、ブナの大木が多くなってきました。

200年生以上のブナの大木。

クロべ(別名ネズコ)黒部の由来は、このクロベから。

根上がり株。巨木の大半は、古株か巨石の上に株立ちしています。

これも、巨石の上に株立つクロベ(ネズコ)

黒部平駅から巨木の森を抜けて、黒部湖畔近くのロッジくろよんに到着。ゆっくり徒歩&写真撮影で約60分。

ロッジくろよんのすぐ横にある「たんぼ沢キャンプ場」トイレもあります。

黒部湖畔。御山谷展望台への周遊散策道は、通行止め箇所があるので、黒部ダム側の道からの往復がお勧め。(キャンプ場側の道は、この写真の位置で通行止め。)

黒部湖駅までの水平散策道は、この様な整備された舗装道。

かんぱ谷橋手前からの黒部ダムの風景。橋の向こう側の遊覧船のりばを通り過ぎて、黒部湖駅の入口トンネルまであと10分。

 

 

 

ライチョウの天敵とは?(キツネに食べられた母鳥の死から)

昨日(6月21日)、『羽根が歩道に散乱している。ライチョウが食べらたのでは?』というお客様からの報告がありました。

急いで職員に確認に行ってもらうと、ミドリガ池園地手前の散策道にて、ライチョウのメスの食害被害痕が確認されました。

現地では、羽毛が散乱し、内臓(おそらく盲腸)も残っていました。食べられたのは、春からこの場所でツガイを形成していたメス(足環:赤・橙・赤・赤)で、富山県雷鳥研究会の確認では、抱卵中の卵も全て食べられていたそうです。

ミドリガ池周辺では、4月頃からキツネが確認されており、今朝(6月22日)みくりが池展望台近くで、ライチョウの羽根交じりのキツネの糞が発見されたことから、母鳥を食害したのはキツネに間違いないと考えれています。※ちなみに、卵の方は、『母鳥の死後、オコジョに食べられたのでは?』と推測しています。

立山室堂では、これまでキツネはごく稀にしか確認されない動物でしたが、数年前頃から、厳冬期以外の3月~11月頃でしたら、いつでもその姿や足跡・糞などの痕跡が“普通”に見られるようになってきています。地球温暖化などの気候変動などが影響しているのかもしれませんが、『人間による高山地帯でのゴミ捨て横行→ネズミの繁殖→カラスやキツネなどの平野・山地帯の動物の高山地帯への移行』によるものでしたら、ライチョウの真の天敵とは、いったい誰なのでしょうか?

たった1羽の食物連鎖の結果であったかもしれませんが、今一度、深く考えさせられました。

ライチョウ(メス)の食害跡。(ミドリガ池近くの散策道脇 令和8年6月21日)

令和8年5月4日にお客さんから投稿していただいたキツネの写真(血の池・ミドリガ池稜線にて)

令和8年6月22日確認されたキツネの糞(みくりが池展望台(慰霊塔近く)のベンチ上)

上記キツネの糞を分解するとライチョウの羽根の付け根がたくさん出てきました。

食べられたライチョウ(足環:赤・橙・赤・赤のメス個体)(令和8年5月19日撮影)死体などの足環の確認はできていないので、被害個体は巣の場所からの推定です。

食べられたライチョウ(R8年5月16日撮影)数日前の6月中旬頃から抱卵していたと推定されています。

食べられたライチョウ(R8年5月16日撮影)とてもカワイイ子で、いつも楽しみでしたが残念でした。

食べられたライチョウ(R8年5月19日撮影)いつも臆病で、すぐにハイマツや笹薮の中に隠れていましたが・・・。

(R8年5月16日)春から、ずっとこの“仲良しツガイ”を見守ってきたのですが・・・。悔しいですが、残されたオスもガンバレ!