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立山自然保護センターブログ

オコジョ 投稿者写真特集Ⅰ

オコジョは、イタチ科で最も小さな種ですが、完全

な肉食性で、ネズミを主食としています。

立山室堂では、ライチョウの雛が襲われることも多

く、この『かわいい顔をした肉食獣』は、ちょっと

・・・、と敬遠される方もたまにいらっしゃいます

が、大半の人は、この“愛くるしい容姿としぐさ”に

夢中になってしまう人気者の生き物であります。

私も本年4月に室堂に入山してから、毎日のように

ずっと、オコジョを追いかけまわしていますが、

一度しか撮影することができていません。

(詳細は、R7年8月21日のブログでどうぞ。)

なかなか、オコジョの写真を撮影できないので、当

センターにお寄せいただいたお客様からの写真を再

公開することで、オコジョの魅力をみなさんにお伝

えしたいと思います。

※以下、今年度と昨年度に頂いた写真です。

令和5年以前の写真は、次回のブログにて企画てい

ますので、乞うご期待!

 

R6年6月24日 浄土山

R6年7月15日 場所不明 ※『ねずみ』ではありません!

R6年7月9日 みくりが池広場(地獄谷側)

R7年7月25日 ミクリガ池ベンチ近く ※4匹兄弟のうちの2匹だそうです。

R7年7月9日 雄山山頂

R7年8月11日 室堂山荘の石垣

R7年8月13日 室堂山途中の休憩ベンチ近く

R7年8月21日 立山自然保護センター前

R7年8月21日 立山自然保護センター前2

R7年9月13日 大日岳  ※ “足乗りオコジョ!”

 

 

立山室堂9月の星団観察

昨夜(9月21日)、一度、寝入ったのですが、ふと、

11時ごろに目覚めまして、外に出てみますと、室堂

平一帯には、雲一つない満天の星空が広がっていま

した。

ちょうど、新月に近く、月も上っていませんでした

ので、立山の峰々を背景に、白や青、赤、黄のカラ

フルな星の輝きを撮影観察することができました。

空気が澄みきった室堂の空では、信じられないくら

いの星々を観察することができますので、今回は、

『散開星団』を中心に撮影してみました。

立山方向(東)の空。富士の折立の上には、おうし座の『ヒアデス星団』が見られました。

ヒアデス星団の拡大。釣鐘星とも呼ばれ、一番下の明るい星が1等星のアルデバランだそうです。

同じおうし座のアルデバランの右上に、昴=『プレアデス星団(M45)』が輝いていました。

天の川には、色とりどりの無数の星団が見られました。

国見岳法方面(南)の空の星々。

浄土山方面(東南)の空

真砂岳方面(北東)の空。

AM1時頃から、雄山の頂上付近に、オリオン座の3つ星ベルトとM42が上ってきました。

雄山の斜め隣に、オリオン座の『オリオン大星雲(中心はトラぺジウム星団)』が、白く輝いていました。

 

ライチョウ(秋羽)の性別判定について

ここ数日、悪天候が続いていながらも、クマの目撃

情報が頻繁に入り、毎日のようにクマ警戒監視出動

をしていました。

(ブログ更新できなくてすみませんでした・・。)

昨日から“シルバーウィーク”に突入しましたが、

今日の室堂平は、すっきりしないお天気模様となっ

ています。ちょうど今、室内事務の時間を作ること

ができたので、最近、困っている“ライチョウの秋

羽”問題を整理することとしました。

ライチョウは、冬羽、夏羽、秋羽と年に三回、換羽

するのですが、9月頃からの秋羽の時期(オス:7月

中旬~、メス8月下旬~)になると、オスとメスの

区別が専門家でも難しく、離れた距離での観察では、

もはや“判別不能のカオス状態”となっています。ま

た、今まで小さかった『雛鳥』たちも、9月に入る

と、親鳥よりやや小さい『幼鳥』に成長してくるの

で、益々、混乱してきています。

秋の今頃のライチョウ観察ポイントは、

①繁殖期に顕著であったオスの肉冠(目の上の赤い

突起)は目立たなくなっているので、判別ポイント

としない。

②メスの夏羽(黄褐色の“キジ模様”)の名残りが、

腹に残っているので、腹側面を重点的に観察する。

③若鳥は、9月頃までは親鳥より“やや小さい”大き

さですので、親鳥などとの大きさの比較でわかりま

す。(8月頃までは、背中の模様などでわかります

が、慣れていないと難しいです。)なお、10月中

旬頃からは、親鳥と全く大きさが同じになりますの

で、もはや、“雰囲気”?で判断しています。

当センター窓口で、お客様に提示しています秋羽性別判別資料です。

以下、当センターの『ライチョウ見守りネット』に

投稿していただいたお客様からの過去の写真を活用

させていただいて、性別対比いたしますので、参考

にしてください。

メス①(R7,9,4)まだ、夏羽の“まだら模様”が多く残った個体。

メス②(R7,9,9)秋羽に換羽し終わったメス。※お腹に“まだら模様(キジ模様)”が残っています!

メス③(R7,9,15)この個体も、しっかりと腹側面にまだら模様が残っています。

メス④(R6,9,23)9月下旬ですが、この個体には胸と腹側面に夏羽の模様が残っています。

オス⑤(R7,9,18)黒褐色の秋羽に換羽したオス

オス⑥(R6,9,15)風切り羽の先だけが白く目立ちます。

オス⑦(R6,9,21)赤い肉冠が目立ちませんが、この個体もオスです。

オス⑧(R6,9,23)オスです。肉冠も目立ちません。

幼鳥⑨(R7,8,10)8月中旬でしたら、まだ、大きさや模様で親鳥と判別しやすい頃の写真です。

幼鳥⑩(R7,9,18)9月中旬になりますと、幼鳥から若鳥に近くなってきます。

幼鳥⑪(R5,9,23)幼鳥の頃も、意外と肉冠がはっきりとしています。※背中の黒羽の規則的な点在が幼鳥の特徴か?

若鳥⑫(R2,10,15)家族グループが合流し集団化した中の若鳥たち(幼鳥から若鳥に成長した状況。一部、親鳥が、混じっています!)

 

 

 

立山室堂のクマは何を食べているか?

昨日、9月15日(日)午後4時20分過ぎ、室堂平に

クマが出没し、ミドリガ池横の散策道などが1時間

ほど通行規制されました。

今回のクマは成獣1頭で、天狗平方面から室堂平に

上ってきたものでして、何よりも、これまでも

例のない“室堂ターミナル前近く”での出没であり、

“衝撃的”なものでした。

クマは、人を警戒することもなく、室堂園地を

早や走りで横切り、慰霊塔横の斜面からミクリガ

池上部の谷筋に下りていきました。

(人と接触することがなく、本当に良かったです。

みなさんも、クマを興奮させることなく、距離

を取って冷静に対処してください。)

その後は、谷筋を1時間ほどかけて、ゆっくりと

採餌しながら、対岸のミドリガ池の斜面を登って、

浄土沢方面に移動していきました。

この1時間ほど、望遠レンズでクマの行動を観察し

ていたのですが、クマはしきりに、草むらに口先

を突っ込み、草穂から草の実をしごき採って、

“ムシャムシャ”と音をたてて食べていました。

この時期の高山帯のクマの採餌対象は、ベニバナ

イチゴ、クロウスゴ、クロマメノキなどの樹の実

であるとされ、実際、室堂周辺でも“ソコソコ”

の量でしたら、熟した液果を見かけることがあり

ましたが、今回のクマ(8月からの大半のクマも

!)は、草(推定で、イワノガリヤスやヒロハコ

メススキなど)の穂状の実を食べていました。

9月の後半からは、脂肪分の高い、効率よく栄養

を摂取できるミズナラやコナラなどのどんぐりを

食べに山地帯に下りていくとされていますが、

室堂平の今年のクマたちは、どうするのでしょう

か?

以下は、R7,9,15夕方のクマの観察写真です。

R7,9,15 PM5:00~PM6:00(ミクリガ池上部の谷筋)

草(草の実)をムシャムシャ、音を立てて食べています。

体格の良い大きなクマです。(足裏は柔らかそう!)

毛並みも良さそう!

鋭いツメもはっきりと見えました。

しきりに、草むらに口先を突っ込んで草の実を食べていました。

イネ科(イワノガリヤス?)の植物を食べている様子。

エサの無い岩場は“早歩き”のスピードで移動。

このフグリは・・・・。オスかも? しっぽは長くないです。

ハクサンボウフウとイワイチョウの草付地。ここで、何の草を食べていたのかは不明。

月の輪が見えそうで見えない写真!

夕陽を浴びた対岸のクマ。ミクリガ池上部の沢筋から斜面を登って、ミドリガ池園地散策道に達した状況。

夕陽に赤く染まる立山

9月13日(土)は、強風を伴う雨か霧の悪天候の

一日でしたが、夕方の一時だけ雨が上がり、美しい

夕焼けで、立山が赤く染まっていました。

室堂周辺では、まだまだ、紅葉が始まったばかり

ですが、今の時間だけは、見渡す限り燃えるような

赤色に染まっていました。

今日の夕日は、西側の空だけに染まっていました。

夕陽に染まる雲と暗闇に染まる雲の対比が美しかったです。

赤く染まる立山三峰

立山三峰と浄土山。山々が全て赤く染まっています。

 

時間が経つと、部分的に夕陽が当たってきました。

大日岳の方角は、雲海に飲み込まれてきました。