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立山自然保護センターブログ

立山室堂の中秋の名月

先ほど、先週9/30の金星のブログをUPしたばか

りですみませんが、昨夜(10月6日)、立山室堂

でも“瞬間的”にお月様を見ることができました。

昨夜は“満月の一日前”とのことですが、まん丸

お月様がとてもきれいでした。

立山でも、アルペンルート上の「七曲」近くに、

「月見台」という地名があるのですが、アルペン

ルート開設時に、ここまで上ってきて、月見会が

開催されていたとのことです。昭和の時代も風流

でいいですね。

今回は、月明りの山岳風景もきれいでしたが、富

山平野の夜景が神秘的で、ベストショットは、雲

海の切れ目から街の輝きが漏れ出てきているラス

トの写真です。昨夜の星々は、地上にあったよう

です。

ほぼ満月の中秋の名月(R7,10,6PM7:40頃)

月明りの立山&浄土山。※月光のゴースト、すみません。

月明り下の雄山

月明り下の浄土山。月夜は星数少ないです。

紅葉のチングルマと月夜の大日岳・奥大日岳

剱御前~別山方向の星景

とうとう、月に雲がかかってきました。(PM8:30頃)

紅葉の景色と夜のミクリガ池。(PM8:40頃)

夜のミクリガ池。残念ながら、満月の写り込みはありませんでした。

天狗平の向こうに、雲海の切れ目から富山平野の光が漏れ出ていました。(pm9:00頃)

立山の明けの明星(金星)

ちょっと、ここ数日、立て込んでいまして、先ほど

ようやく、先週の9月30日の明け方に撮影した

『立山の金星』の写真などを整理できたのでブログ

にUPします。(古いネタですみません。)

少し早起きして、AM4:00頃から、いつもの

立山センター横の空き地で星空観察&撮影スタート。

30日の朝も良く晴れており、いつものとおり、すぐ

近くで、3羽のライチョウが鳴き声を交わし続けて

ていました。

浄土山の上方にシリウスが輝き、オリオン座も上っ

てきました。9月23日に撮影した真砂岳稜線上の

“閃光線”は、やはり『人工衛星』とのことで、地平

線下の太陽との位置関係で人工衛星が目立つように

なり、無数に写り込むそうです。今回も人工衛星が

たくさん写り込んでいました。

AM5:00前頃から、大汝山頂上付近から、

『明けの明星(金星)』が上ってきました。奥大日

岳や別山方向の峰々も明るくなってきて、星数も少

なくなり、いつのまにか“朝”にかわっていました。

AM4:00頃の立山の星空

浄土山の上空にシリウスが輝いていました。

オリオンのベルト(3星)とオリオン大星雲

真砂岳上空の人工衛星群。こんなにもたくさん“飛んで”いるのですね。

別山方向の星空

大汝山上空の明けの明星(金星)。金星は明るく、「美の女神ビーナス」と呼ばれています。

AM5時ごろには、もう明るくなってきています。

剱御前の背景にある剣岳。星数も少なくなり朝をむかえました。

立山(室堂平)の紅葉情報(令和7年10月6日)

立山室堂平の紅葉情報について、先日(9月29日)

のブログにて紹介させていただいたのですが、現時

点での紅葉状況をお伝えします。

室堂の今週末の土日は、雨風強く、さんざんな天候

でしたが、今朝(10月9日(月))から快晴となり、

紅葉した草木が、美しく輝いていました。

室堂平の紅葉は、今が“見頃最盛期”といった状況で

すが、昨日の雨風で、一部の広葉樹が落葉している

ようでした。紅葉の絶景ポイントは、ミクリガ池周

辺からの立山への眺望も素敵なのですが、お薦めポ

イントは、室堂山荘より雄山側へ登山道を10分ほど

登った場所で、雄山山頂や別山・雷鳥沢方向の展望

が開けたところです。

ここ3週間、室堂平ではクマの目撃情報もありませ

ん。クマは、餌となる木の実を求めて、山地帯に下

りて行ったのでしょうか?室堂平での例年の初雪は、

10月中旬ですので、これからは、紅葉&冠雪の晩秋

の絶景が楽しめます。とても楽しみです。

立山自然保護センター近くから立山を望む。(R7,10,6撮影)

地表を覆うチングルマの紅葉。まだまだ、見頃が続きます。(R7,10,6撮影)

黄葉したミネヤナギとチングルマ群落。(R7,10,6撮影)

紅葉のチングルマとミクリガ池(R7,10,6撮影)

久しぶりに晴れ渡った空と浄土山・室堂山。(R7,10,6撮影)

雄山登山道(室堂山荘から3分)から室堂山荘・大日岳を振り返る。(R7,10,6撮影)

真砂岳・別山と浄土沢の紅葉(R7,10,6撮影)

登山道から浄土沢・雷鳥沢を望む(R7,10,6撮影)

ここが、雄山&紅葉の絶景ポイント(室堂山荘から10分(R7,10,6撮影))

雄山登山道(室堂山荘から10分)から雄山山頂(峰本社)を望む(R7,10,6撮影)

ナナカマドの紅葉が美しい雄山(R7,10,6撮影)

錦絵のような雄山の紅葉(R7,10,6撮影)

立山黒部アルペンルート 紅葉情報(R7年10月3日)

先日、9月28日(雷鳥沢)、9月29(室堂平)の

紅葉情報をブログ掲載させていただきましたが、

今回は室堂より標高の低い立山黒部アルペンルー

ト沿いの紅葉状況を紹介させていただきます。

現在、9月末から急激に冷え込んできたためか、

紅葉が一段と美しくなってきています。また、

今夏は猛暑が続いたせいか、

『今年の紅葉は例年になく美しい!』

と、スタッフの中でも評判となっています。

立山での紅葉前線は、現在、標高1,600m近く

まで下りてきており、室堂(標高2,450m)から

天狗の鼻(標高2,100m)の一帯が“見頃のピー

ク”に達しているようです。

これから10月の中~下旬にかけて、交通機関など

で容易に垂直移動できる立山ならではの、

『標高の高い所で晩秋の紅葉を眺め、より標高

の低い場所で色鮮やかなピークを堪能する。』

といった、贅沢な紅葉ウオッチングを楽しむこと

ができます。みなさん、是非とも紅葉の美しい

立山にいらっしゃってください!

※以下の写真は、令和7年10月2日、10月3日に撮影したものです。

【標高2,400m国見】剣岳の遠望と奥大日岳の展望

【標高2,400m国見】紅葉の奥大日岳の展望

【標高2,300m天狗平】アルペンルート沿いを彩るミネカエデ(黄色)とウラジロナナカマド(赤色)

【標高2,300m天狗平】対岸(奥大日岳側)の紅葉展望

【標高2,100m天狗の鼻】標高1,900mの弥陀ヶ原台地の展望

【標高2,400m国見】天狗山(2,521m)の紅葉展望

【標高2,000mヒュッテ小屋跡地】針広混交林と紅葉の山

【標高2,000mヒュッテ跡地】紅葉の中を走るアルペンルート高原バス

【標高1,930m弥陀ヶ原】お薦め!時間があれば是非とも弥陀ヶ原の木道を散策してみてください!

【標高1,930m弥陀ヶ原】ナナカマドの紅葉が枯れた湿原のアクセントになっています。富山平野も遠望できます。

【標高1,930m弥陀ヶ原】弥陀ヶ原には、木道が整備されていますので、ゆっくりと散策できます。

【標高1,850m追分】松尾峠方面の展望。注意:松尾峠は、令和7年10月15日まで工事中にて通行止めです!

【標高1,850m追分】弘法方向の湿原地帯を通る木道。

【標高1,600弘法】現在の立山の紅葉最前線は、弘法あたり!これから、もっと紅葉します。

【標高1,600m弘法】弘法から弥陀ヶ原、国見岳の展望。山の上から紅葉が深まってきています。

 

 

立山雷鳥沢のクマ

これまで(令和7年7月~9月)、室堂平や一ノ越・

祓堂、浄土山・室堂山近辺で30回以上も出没して

いたクマも、9月15日以降は、その目撃情報も皆無

となっています。

ただ、代わりに9月8日頃から、室堂平から2時間ほ

ど離れた場所ですが、室堂乗越から雷鳥沢にかけて

の山腹斜面に2頭の成獣クマが“滞在”するようになっ

ています。(※9月19日に1頭が尾根向こうの立山川

上流域に移動したので、現在は1匹のみです。)

時たま、このクマ達は、雷鳥坂や室堂乗越付近の登

山道を横切ることがあったため、クマの監視と登山

者の安全確保・誘導のため、山岳警備隊員と環境省

・富山県の職員が、毎日のように『雷鳥沢』まで

“出動”していました。そうした中、9月16日のブロ

グ記事写真「立山室堂のクマは何を食べているのか

?」で、ご紹介していたように、雷鳥坂のクマも、

当初、しきりに“草穂の実”をしごき採っていたので

すが、9月23日の監視出動時にて、これまでと異な

った“樹の実”(クロウスゴというブルーベリー)を

一心不乱に食べ漁っていた様子を、観察・撮影する

ことができました。これまで、

「こういった小さな樹の実を、大きな手でどうやっ

て摘み取って食べているのだろう?」

と疑問に思っていたのですが、9/23の熊監視では、

「手で樹の実がなっている枝を手繰り寄せて、顔を

左右に振って、枝葉ごと樹の実を口の中に落とし

入れて食べている。」

ということを観察することができました。

とにかく、雷鳥沢のクマ達も室堂平のクマ達と同じ

ように、人間に興味を示したり、キャンプ場に近づ

くこともなく、ただひたすら“生きるために”野生の

営みを行っているだけのようでした。

この期間、雷鳥沢では、冷静さを失った登山者が、

過度に反応して『爆竹を鳴らしたり、大声を出した

り』する混乱が生じましたが、人間の方からクマを

威嚇して興奮させるようなことは、絶対にやめてく

ださい。全く人間に敵意を向けていないクマであっ

ても、『自己防衛本能』で人を襲うこともありま

す。

クマ生息の特別保護地区である立山では、人間の方

から、節度をもって『クマとの距離』を保つ関係が

大切ではないでしょうか?

※以下は、9月23日に、安全を確保した200m以上

離れた場所から望遠レンズ越しで観察・撮影した

写真です。ブレブレのボケボケですみません。)

室堂乗越の登山道近くでのクマ(R7年9月19日)

クマが度々近づいたり横断した室堂乗越の稜線(登山道)

筋肉の塊。雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

採餌のため、雷鳥沢の上部から下部を行ったり来たりしていたクマ(R7年9月23日撮影)

雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

『クマの顔』では、個体識別は無理か?雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

この日はしきりに、低木に首を突っ込んでいました。雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

体長1.5m以上?の大きな成獣。雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

食べていたのはクロウスゴというマメ科高山植物(低木)の液果でした。雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

首を振って、口の中に樹の実を落とし込んでいました。雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)

採餌中に、オシッコしていました。雷鳥沢下部でのクマ(R7年9月23日撮影)