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立山自然保護センターブログ

今日は何の日?

今日は、国際連合が定めた「世界環境デー」となっており、環境省でも6月を環境月間としてし

ています。富山県でも環境保護の活動をいくつもが、立山地区は保護活動が盛んな地域です。

また、立山は環境変化がわかりやすい地域となっています。

アルペンルートがオープンしたての頃は白かった雪も今の時期は、黒ずんで

います。空気や雨の中の汚れなどが積りその中で、バクテリアや藻類などが

増えて黒さが増していきます。黒さが増すと太陽の熱を吸収しやすくなるので

雪解けの速さに影響がある事がわかっています。微生物の発生状況によっては

赤や緑の部分が発生することがあります。

ちなみに、黒い雪が服等に付くと、微生物などで汚れが落ちにくいので注意して

ください。

 

 

昔木道に使っていた汽車の枕木ですが、この木には「コールタール」と言うアスファルトの

一種が塗られており、長年の雪や雨にさらされ溶け出して環境へ影響が出たため現在は石畳

や新しい木道になっています。

室堂平で多い石畳で、歩きにくい言われることもありますが、よく石を見て

もらうと穴の様な窪みがあります。

室堂平の石畳で使われる石のほとんどが、長野県側の立山トンネルを掘った

時に、砕いた岩石をリサイクルしていて穴はドリルを使った後です。

最近では、弥陀ヶ原での階段補修に使われましたが、世紀の大事業で出たため

補修用の在庫はまだまだあるそうです。

 

立山自然保護センターでも、ほぼ毎日、遊歩道を周りゴミ拾いをしています。

立山地区で出たゴミは、山小屋も合わせて全て収集日に合わせて麓の処理場

にて処理されています。一般家庭と違うのは全て有料で処理され、頂上近くの

山小屋のゴミはヘリコプターで回収されます。

 

 

立山自然保護センターでは、タンポポなどの麓からの外来植物除去、ナチュラ

リスト自然解説などによる自然環境保護を今年も実施していきます。参加したい

興味がある方は、立山自然保護センターまでお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

麓から花々が増えてきました。

立山アルペンルートの沿線でも山麓から山頂に向けて、新緑が

進んでいます。

富山県側の高原バスの車窓からでも、青葉や花を楽しめますが

折角なので、今の時期に多く見かける花をいくつか紹介したいと

思います。

ムラサキヤシオツツジ

比較的標高のある場所で主に日本海側を中心に見られるツツジです。

花の中心に蜜がたまり、ストローのような口の蝶が吸いやすいので

天気が良くなると花の周りを舞う蝶々が見れると思います。

子供の頃、ツツジの甘い蜜を吸ったことがある方もおられるかと

思いますが、公園などに植えられている園芸種の「レンゲツツジ」など

有毒なものもあるので注意してください。

 

タムシバ

ツツジは蜜を使って昆虫などを呼びますが、こちらは「ニオイコブシ」と言う

別名があり、香りで昆虫を呼びます。花の近くにいくといい香りがします。

富山県のある地域では、タムシバやコブシの花が咲く頃を山菜採りの目安に

している処もあります。

「カムシバ」という別名もあり、枝を噛むとキシリトールガムに似た爽快感が

あるので、保護地域以外では食後や登山などの気分転換にカミカミすることが

あります。

 

オオカメノキ

この花は、だまし技で昆虫を呼んでいます。

白く大きな花のような部分は・・・

装飾花というニセモノの花で、本物の花は中央にある小さな部分です。

ニセモノで昆虫を呼んでいます。

春には昆虫を呼ぶのですが、夏が過ぎると昆虫が沢山寄ってきて葉を

シッカリとたべられる事が多いので「ムシカリ」と呼ばれる地域も

あります。

雪解けに合わせて、車窓から見える花々が増えてくるので山々の景色と

合わせて楽しんでもらえたらと思います。

ちなみに、弥陀ヶ原・室堂平では

花々はまだですが、雪に潰されていたハイマツなどが太陽の光を

浴びで背伸びを始めています。

 

自然保護センター近くで見つけた唯一の花です。

 

雪解けが進みました。

富山平野では連日、25℃を超える夏日が続いていますが、室堂平でも

雪解けが進み石畳みの歩道も見える様になってきました。

 

立山アルペンルートもオープンして1ヶ月ちょっとですが、風景も変化を始めています。

みくりが池

 

雄山山頂付近

 

血の池付近

雪が残る場所もまだありますがポールとロープで歩ける場所がわかるように

なっているのでロープを超えて入らないようにして下さい。

もし入ると・・・・

誰かがハマった跡です、富山では「ズボル」とも言いますが、標準語

でしょうか?

クラック(ひび割れ)も多くあります。ロープから右側は地面がありません。場所に

よっては危険な場所もあるのでロープを超えないようお願いします。

あともう少しすると、花々が咲き始めてくれて、また違った風景を見せてくれることを

楽しみにしています。

 

この時期だけの風景ですが、室堂平の夕日です。

手前で白く光る部分は田植えが終わった水田です。

富山県の一部地域では散居村という集落の配置で、隣の家まで50~200mの間隔があります。

戦国時代に敵から攻め難くするため、家の脇に用水を通して屋根雪など除雪がやり易いため

など配置には色々な利点があったようです。

夕日の下で、オレンジ色に明るく光る場所は日本海です。光の後ろが能登半島

になります。

室堂平でも、田んぼに水が張られたこの時期にしか見れない景色です。

 

 

 

 

 

今週は?

室堂平では、ライチョウの動きも活発になり目撃情報や問い合わせも

多くなりました。

ライチョウもふくめて今週(5月10日~5月16日)は愛鳥週間(バードウィーク)として、

環境省による「全国野鳥保護のつどい」等の野鳥に親しむイベントが開催されています。

富山県でも、愛鳥ポスターの募集や里山での探鳥会などが行われいます。

 

室堂平では、ライチョウに人気が集まりますが、よく見てみると小鳥たちの姿や綺麗な

鳴き声を聞くことができます。

室堂平で、見かける事が多い2種が

イワヒバリです。ヒバリのように少し早口ですが、綺麗な鳴き声です。

 

 

カヤクグリ、名前のごとくカヤのようになったハイマツをくぐり抜けて、地面を

歩くことも多いですが、ライチョウ同様にあまり人間を怖がらないので、カヤ

クグリから近づいてくれることもあります。見つけやすい小鳥なので、是非とも

室堂平にお越しの際は探してみてください。

 

 

今日は、キセキレイの姿が見れました。

 

愛鳥週間ですが、毎年共通のスローガンがあります。皆さんが、鳥のヒナが地上で

バタバタとしていたらどうしますか?

スローガンでは、この様なポスターで呼びかけています。

各地の保護センターに収容されるヒナの半数近くは、保護の必要がないヒナたちです。

この様なヒナを見かけた場合は、保護する前に各県の保護施設などに相談してから

対応をお願いします。

 

 

 

我が家の近くいた、ライチョウの仲間です。

ライチョウは富山県の鳥ですが、キジは国鳥、国の鳥です。

 

 

 

 

 

 

眼の上に赤い肉冠があるのがオス?

GWが終わったばかりなので週末の快晴でも室堂は空いてます。
連日の好天により融雪が進み少しづつミクリガ池周辺の遊歩道が露出してきました。
所々に竹竿やロープ等で遊歩道の境界を設置してますが、人手が足りず雪解けに追いついてません。。。
なかなか分かり難いとは思いますがフィールドを散策する際は植生帯に踏み込まないようにお願いいたします。

 

では本題に移ります。
保護センターではライチョウの目撃情報を記入していただいたお客様に記念のライチョウシールをお配りしてます。
そして雄か雌かをお尋ねすると眼の上が赤かったから雄とおっしゃる方が大勢います。
では次の写真はオスメスどちらでしょうか?

正解は雄です。
では次のライチョウはオスメスどちらでしょう?

正解は雌です。

では次です
これは雄です。
このように肉冠は雌雄どちらにもあり、どちらも全く見えない時もあります。
なので肉冠だけで雌雄の判断をすると間違ってしまう場合があります。
雄雌の同定は羽の色、大きさ、目元、鳴き声、行動などなど色々あるので今後も見分け方のコツなどお伝えしていこうと思います。