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立山自然保護センターブログ

室堂の謎Ⅱ いなくなったクマ達

この夏、室堂平や一ノ越・祓堂、浄土山・室堂山

近辺で頻繁に出没していた“クマ達”も、9月15日

を最後に、その目撃情報は全く無くなりました。

室堂平から2時間ほど離れた場所の、室堂乗越から

雷鳥沢にかけての山腹斜面の成獣クマも、10月2日

の目撃情報を最後に、新たな目撃情報もありません。

室堂で長年仕事をしている職場や山小屋関係者等の

皆様からの聞き取りによると、

『毎年、室堂近辺のクマは9月末にはいなくなる。

餌も豊富で、冬ごもりできる標高1,000~1,500

mぐらいの山中に下りて行っているのでは?』

とのことです。

最近、富山県も含め全国的にたくさんのクマが、平

野地の居住区域に出没し、重大な人身事故などが発

生しています。樹の実の凶作による餌不足やクマ自

身の個体数の増加などの原因があるのでしょうが、

少なくとも、国立公園内の立山室堂においては、

“野性の尊厳をもって、人との関わりを持たない”

クマ達と

“自然公園を利用する一方、クマの棲息地を保全し、

クマ生態への影響を最小限に限定制限させる”

人間が

共存できる方策を模索していくことが重要と考え

ています。

以下、9/8、9/16、9/30のクマ特集ブログでも紹

介させていただいたクマ達の写真ですが、クマの

顔ズームアップでトリミング処理しました。

ボケボケの写真ですみませんが、室堂のクマ達の

いろいろな表情などお楽しみください。

R7,8,25室堂園地南①

R7,8,25室堂園地南②

R7,8,25室堂園地南③

R7,8,25室堂園地南④

R7,8,25室堂園地南⑤

R7,9,6一ノ越祓堂室①

R7,9,6一ノ越祓堂室②

R7,9,6一ノ越祓堂室③

R7,9,15ミクリガ池上部①

R7,9,15ミクリガ池上部②

R7,9,23雷鳥坂①

R7,9,23雷鳥坂②

 

室堂の謎 秋のライチョウの居場所はどこ?

最近、よく受付窓口にて、

「秋はライチョウを見つけにくいんですか?」

とお客さんに聞かれます。実際、9月半ば頃から

「ライチョウ目撃情報」が1/3程度まで減少して

います。実際、私個人も、9月に入ってからの朝

の散策時において、“一羽も見かけない”という日

が何日もあります。

元々、6月末からナワバリを解消し“自由行動”

をしているオス(又はオスグループ)は、室堂平

一帯ではほとんど見かけることはありません。

(毎朝、『グァーグァー』という鳴き声が聞こえ

るので、オス達もご近所で暮らしているみたいな

のですが・・・。)

問題は、あれほど登山道近くなどで育雛していた

母子グループがどこに行ったか?ということです。

「富山雷鳥研究会」の調査によると、

「雛が幼鳥に成長すると、母子たちは平坦地から、

餌や身を隠すものが多い谷筋に移動する。」

とのことで、どうやら、人間が見つけることがで

きないだけで、オス達同様に、近くに棲んでいる

ようです。実際、9月の「富山雷鳥研究会」の調

査にて、これまで数週間ほど目撃報告がなかった

「血の池」上部のハイマツ下に母子グループが居た

との報告事例もあり、やはり『見つけることができ

なかっただけなのか・・。』と納得するに至ってい

ます。

最近のお客様からの目撃情報(個体数報告)などか

ら、現在、複数の母子グループが合併して小集団化

が進んでいることが推測されます。

以下、ここ3週間の目撃状況を写真でピックアップ

しましたのでご覧ください。

※3枚目以降は、お客様から「雷鳥見守りネット」

に投稿していただいた写真を使用しています。

R7,10,6室堂平園地内 若鳥(2家族:5羽)

R7,10,6室堂平園地内 若鳥(2家族:5羽)

R7,10,6ターミナル前広場上部 メス1、若鳥2(1家族:3羽)

R7,10,1ホテル立山前園地 メス1、若鳥3(1家族:4羽)

R7,9,26ミドリガ池園地 メス1,若鳥2(1家族:3羽)

R7,9,25血の池 メス1、若鳥2(1家族:3羽)

R7,9,21 一ノ越祓堂手前 メス1、若鳥2(1家族:3羽)

R7,9,21園地広場 メス1、若鳥3(1家族:4羽)

 

立山室堂の中秋の名月

先ほど、先週9/30の金星のブログをUPしたばか

りですみませんが、昨夜(10月6日)、立山室堂

でも“瞬間的”にお月様を見ることができました。

昨夜は“満月の一日前”とのことですが、まん丸

お月様がとてもきれいでした。

立山でも、アルペンルート上の「七曲」近くに、

「月見台」という地名があるのですが、アルペン

ルート開設時に、ここまで上ってきて、月見会が

開催されていたとのことです。昭和の時代も風流

でいいですね。

今回は、月明りの山岳風景もきれいでしたが、富

山平野の夜景が神秘的で、ベストショットは、雲

海の切れ目から街の輝きが漏れ出てきているラス

トの写真です。昨夜の星々は、地上にあったよう

です。

ほぼ満月の中秋の名月(R7,10,6PM7:40頃)

月明りの立山&浄土山。※月光のゴースト、すみません。

月明り下の雄山

月明り下の浄土山。月夜は星数少ないです。

紅葉のチングルマと月夜の大日岳・奥大日岳

剱御前~別山方向の星景

とうとう、月に雲がかかってきました。(PM8:30頃)

紅葉の景色と夜のミクリガ池。(PM8:40頃)

夜のミクリガ池。残念ながら、満月の写り込みはありませんでした。

天狗平の向こうに、雲海の切れ目から富山平野の光が漏れ出ていました。(pm9:00頃)

立山の明けの明星(金星)

ちょっと、ここ数日、立て込んでいまして、先ほど

ようやく、先週の9月30日の明け方に撮影した

『立山の金星』の写真などを整理できたのでブログ

にUPします。(古いネタですみません。)

少し早起きして、AM4:00頃から、いつもの

立山センター横の空き地で星空観察&撮影スタート。

30日の朝も良く晴れており、いつものとおり、すぐ

近くで、3羽のライチョウが鳴き声を交わし続けて

ていました。

浄土山の上方にシリウスが輝き、オリオン座も上っ

てきました。9月23日に撮影した真砂岳稜線上の

“閃光線”は、やはり『人工衛星』とのことで、地平

線下の太陽との位置関係で人工衛星が目立つように

なり、無数に写り込むそうです。今回も人工衛星が

たくさん写り込んでいました。

AM5:00前頃から、大汝山頂上付近から、

『明けの明星(金星)』が上ってきました。奥大日

岳や別山方向の峰々も明るくなってきて、星数も少

なくなり、いつのまにか“朝”にかわっていました。

AM4:00頃の立山の星空

浄土山の上空にシリウスが輝いていました。

オリオンのベルト(3星)とオリオン大星雲

真砂岳上空の人工衛星群。こんなにもたくさん“飛んで”いるのですね。

別山方向の星空

大汝山上空の明けの明星(金星)。金星は明るく、「美の女神ビーナス」と呼ばれています。

AM5時ごろには、もう明るくなってきています。

剱御前の背景にある剣岳。星数も少なくなり朝をむかえました。

立山(室堂平)の紅葉情報(令和7年10月6日)

立山室堂平の紅葉情報について、先日(9月29日)

のブログにて紹介させていただいたのですが、現時

点での紅葉状況をお伝えします。

室堂の今週末の土日は、雨風強く、さんざんな天候

でしたが、今朝(10月9日(月))から快晴となり、

紅葉した草木が、美しく輝いていました。

室堂平の紅葉は、今が“見頃最盛期”といった状況で

すが、昨日の雨風で、一部の広葉樹が落葉している

ようでした。紅葉の絶景ポイントは、ミクリガ池周

辺からの立山への眺望も素敵なのですが、お薦めポ

イントは、室堂山荘より雄山側へ登山道を10分ほど

登った場所で、雄山山頂や別山・雷鳥沢方向の展望

が開けたところです。

ここ3週間、室堂平ではクマの目撃情報もありませ

ん。クマは、餌となる木の実を求めて、山地帯に下

りて行ったのでしょうか?室堂平での例年の初雪は、

10月中旬ですので、これからは、紅葉&冠雪の晩秋

の絶景が楽しめます。とても楽しみです。

立山自然保護センター近くから立山を望む。(R7,10,6撮影)

地表を覆うチングルマの紅葉。まだまだ、見頃が続きます。(R7,10,6撮影)

黄葉したミネヤナギとチングルマ群落。(R7,10,6撮影)

紅葉のチングルマとミクリガ池(R7,10,6撮影)

久しぶりに晴れ渡った空と浄土山・室堂山。(R7,10,6撮影)

雄山登山道(室堂山荘から3分)から室堂山荘・大日岳を振り返る。(R7,10,6撮影)

真砂岳・別山と浄土沢の紅葉(R7,10,6撮影)

登山道から浄土沢・雷鳥沢を望む(R7,10,6撮影)

ここが、雄山&紅葉の絶景ポイント(室堂山荘から10分(R7,10,6撮影))

雄山登山道(室堂山荘から10分)から雄山山頂(峰本社)を望む(R7,10,6撮影)

ナナカマドの紅葉が美しい雄山(R7,10,6撮影)

錦絵のような雄山の紅葉(R7,10,6撮影)