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立山自然保護センターブログ

室堂は秋へと移ろい始めてます


グリーンシーズンは終盤を迎えいよいよ室堂は秋の様相です。
夏の酷暑と水不足が紅葉にどう影響するのか今後の色づきを観察してみたいと思いますが、イワイチョウの葉は例年より枯れてるものが多い印象です。
短い夏に花を咲かせた高山植物はタネをつけ次世代へと命を繋いでいます。室堂平で比較的目に付き、まだ見頃と言えるのは写真のオヤマリンドウとミヤマアキノキリンソウです。もちろん他にも花を咲かせているものもありますが花の季節はあと少し。
しかし花だけが植物観察ではありません。
タネをどのようにつけてどのように散布するのか?草紅葉の色づき方、どんな実がなっているのか等々、花が咲いてないからこそ改めてじっくり植物観察すると色々な発見があって面白いです!
写真のオヤマリンドウもよく見ると色々想像が膨らみます。
オヤマリンドウは通常茎頂にしか花がつかないのですがこの株は二段目にも花が付いてます。
もしかしたらエゾリンドウとの交雑かも???
晴れて気温が上がらないと花が開かないのは何故?
開いてもほんの少ししか開かないけど花粉は誰にどうやって運んでもらうんだろう?
などなど植物は花を見て綺麗だなで終わらせずにじっくり形態やポリネーターを観察するとより楽しいと思います。
植物は名前を覚えることに一生懸命になるよりも、じっくり観察することの方が大切です。

先日見かけたオコジョも秋換毛が始まってました。
ライチョウのオスは秋羽が目立ち始め、早生まれの幼鳥はお母さんより一回り小さいぐらいになってます。再営巣で生まれた子はまだヒナの段階で小さいので雪が降りだす前にしっかり成長できるか心配です。

夏山シーズンの混雑も落ち着き秋の紅葉シーズンになる前のいまが静かな山をゆっくり楽しむチャンスです。
立山へお越しの際は是非保護センターにお立ち寄りください。