Removal Activity

立山外来植物除去とは

外来植物とは?

自然の状態であれば、もともと立山一帯に生育しないと考えられている植物が、人為的な環境を私たち人間が作り出したことが原因で、他の地域から侵入し、増殖・拡散している植物を指します。

なぜ除去するのか?

立山独自の生態系は、立山に本来生育する植物を中心に多様な生物が網の目のように様々な関係でつながっていることで形づくられています。
この中に外来植物が侵入し繁殖・拡散することで、本来の植物の生育地が奪われたり、立山地域で培われてきた遺伝子組成が徐々に失われ、その結果として生態系が壊されてしまうおそれがあります。こうしたことを防ぐために、地域の生態系の中に入り込んだ外来種を排除して、地域の生物多様性を保全します。

どうやって減らすのか?

外来植物が繁殖・拡散する原因を探り、3つの観点から対策を講じています。

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    外来種が生育する土地の管理方法を改善

    踏み荒らしや工事の跡地など裸地のまま放置された空間を、現地産植物で植生復元したり、砂利敷きの駐車場の管理方法を検討します。

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    外来植物種子の侵入を阻止

    • ・車両に付着した種子は、タイヤ洗浄装置で洗い流します。
    • ・靴底に付着した種子は、除去マットを設置して除去します。
    • ・衣類や荷物に付着した種子は、入山前に各人が払い落とすよう啓発します。
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    定着してしまった外来植物は徹底的に除去

    状況に即して、重点的に除去する植物と対象エリアを定め、効果的な時期、手法で徹底的に除去を実施していきます。

除去はみんなの力で!

立山の外来植物の除去活動は、たくさんのボランティア団体の活動に支えられています。
活動を支援するために、立山自然保護センターでは、除去指導員の派遣や除去活動を行うための用具類
(ハサミや移植ゴテなどの器具、ゼッケンや腕章など)を貸し出しています。

外来植物除去にあたっての注意事項

立山黒部アルペンルートは、中部山岳国立公園であり国有林です。また、場所によっては、自然公園法による特別地域または特別保護地区並びに森林法による保安林に指定されています。
外来植物を除去する場合は、環境省・富山県の指導を受けて行なってください。

お願い

外来植物除去にご協力いただくグループの代表者の方へ

除去作業の前に富山県自然保護センターに連絡し、指導を受けてください。除去に必要なゼッケンや除去器具等をお貸しします。
また、除去した後には、作業日、場所、除去した外来植物の種類と数量(株数)、参加人数をご報告願います。


お問い合わせ

〒930-1414 富山県中新川郡立山町芦峅寺室堂平

富山県立山自然保護センター
TEL. 076-463-5401
富山県自然保護課
TEL. 076-444-3399

立山で重点除去対象としている外来植物

外国から入ってきた植物

セイヨウタンポポ

Taraxacum officinale

キク科

対処
花が開く前に地上部を鎌や剪定ばさみ、手で除去します。最低限、花茎を切り取って開花・結実を阻止します。土に大きな穴があかない範囲で根も除去します。

エゾノギシギシ

Rumex obtusifolius

タデ科

対処
花が開く前に地上部を鎌や剪定ばさみ、手で除去します。最低限、花茎を切り取って開花・結実を阻止します。土に大きな穴があくので根は掘りとりません。

シロツメクサ

Trifolium repens

マメ科

対処
花が開く前に全体を鎌や手で除去します。最低限、花茎を切りとって開花・結実を阻止します。匍匐枝によって旺盛に栄養繁殖するのでできるだけ全体を除去します。

フランスギク

Chrysanthemum leucanthemum

キク科

対処
花が開く前に地上部を手や鎌などで除去します。土に大きな穴があかない範囲で根も除去します。

タチオランダゲンゲ

Trifolium hybridum

マメ科

対処
花が開く前に地上部を手や鎌などで除去します。最低限、花茎を切りとって開花・結実を阻止します。丈夫な株をつくって旺盛に繁殖するのでできるだけ全体を除去します。

国内の低地から入ってきた植物

オオバコ

Plantago asiatica

オオバコ科

対処
花が開く前に全体をシャベルで除去します。土に大きな穴があかない範囲で根も除去します。五色ヶ原等ハクサンオオバコ生育地では交雑が起こらないよう、除去を徹底します。

イタドリ

Fallopia japonica

タデ科

対処
花が開く前に地上部を剪定ばさみ等で除去します。最低限、茎を切除して開花・結実を阻止します。土に大きな穴があくので根は掘りません。

スギナ

Equisetum arvense Linn.

トクサ科

対処
胞子茎(つくし)は胞子の成熟前に手で除去します。栄養茎(すぎな)は最低限、地上部を引き抜き、分布拡大を抑制します。土に大きな穴があくので根は掘りません。

ヨモギ

Artemisia indica var. maximowiczii

キク科

対処
花が開く前に地上部を鎌や剪定ばさみ、手で除去します。最低限、花茎を切りとって開花・結実を阻止します。土に大きな穴があかない範囲で根も除去します。

オノエヤナギ

Salix sachalinensis Fr Schm.

ヤナギ科

対処
花が咲く前、実が実る前に地上部を手鋸等で除去します。その後、出てくる新芽を繰り返し除去して衰退させます。

ゴマナ

Aster glehni var. hondoensis

キク科

対処
花が開く前に全体を鎌や剪定ばさみで除去します。最低限、地上部を切除して開花・結実を阻止します。土に大きな穴があかない範囲で根も除去します。

フキ

Petasites japonicus(Sieb. & Zucc.)Maxim.

フキ科

対処
春の花が開く前に花茎(ふきのとう)を除去します。下記に地上部を除去します。土に大きな穴があかない範囲で根も除去します。

ススキ

Miscanthus sinensis

イネ科

対処
花が開く前に地上部を鎌や剪定ばさみを用いて除去します。最低限、花茎を切りとって開花・結実を阻止します。土に大きな穴があくので根は掘りません。